切明温泉・河原の湯(2017.6)

少し更新間隔が空きました。今回の訪問先の切明温泉は長野県栄村にあり、秘境100選にも選ばれている秋山郷の最も奥に位置する場所にあります。高崎でレンタカーを借り、越後湯沢、津南町を経由して国道405号線へと進みます。秋山郷秩父の記事に続いての平家落人伝説となりますが、壇ノ浦の戦いに敗れた平勝秀が落ち延びたとの言い伝えが存在しています。

秋山郷とは13の集落の総称で、東西を険しい山に挟まれ、南北を中津川が深い谷底を流れます。僅かに存在する比較的傾斜の緩い場所や平地に集落が点在しています。

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国道405号は群馬県にある野反(のぞり)湖から流れる中津川に沿って整備されており、先述の各集落を経由しつつ上流へと向かい切明温泉まで車の通れる道は続います。道路は細く曲がりくねっており決して快適な道路とは言えませんが、それでも通年に渡って人や物が往来できる道路の存在意義は大きいため雪のない時期は補修工事、雪がある時期は除雪が常に行われている生活に不可欠な道路になります。

なお、切明温泉野反湖の約15kmも国道ではありますが車両通行できない点線国道となっており、約7~9時間を要する登山道になります。ちなみに関東地方を水源とする河川において野反湖(中津川→信濃川)と尾瀬沼(只見川→阿賀野川)だけが日本海へと流れ、それ以外の河川は全て太平洋側へと流れています。 

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切明温泉の名物といえば「河原の湯」です。各自が川を掘って湯船を作ります。至る所で温泉が湧いているので川の石を掘り返して湯船を作り、好みの温度となるように川の水を適宜取り込む構造となるように工夫します。しかし、この日は川の水が多かったのか、それとも掘る場所が悪かったのかは分かりませんが、なかなか良い場所を見つけることができず足湯程度の湯船しか作ることができませんでした。 (ネット上を調べた感じだと湯気が立っているので当日は水が多かったのかなぁと思います)

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その後は林道秋山線・渋峠草津を経由して高崎へと戻りました。

秋山郷各集落の住民の数は大都市と比べると非常に少ないもので、それだけの人数のために予算を組むことは必要のか?という問題が生じます。あくまでも個人的な意見ですが、そこに人が住んでいる以上は程度問題であれ生活を維持するために費用を投じるべきだと思っています。田舎があるから都市が成立する訳で採算性だけで論じてしまうことは疑問に思います。例えば採算性(効果)だけで考えたとき、訓練でしか使われることなく廃車を迎える消防車は街に不要であっと考える人は少ないのではないでしょうか。

阪神淡路大震災東日本大震災熊本地震などにおける災害復旧の速さに対する賞賛を多くの機会で目にしますが、その工事をしている人は誰でしょうか?それは皆さんの忌み嫌う公共事業と土木や建築に携わる人達なのではないでしょうか?

最後になりますが「程度問題」という曖昧な言葉に逃げていることは百も承知です。常に自分が都市のインフラを享受し続ける強者であり続ける自信の根拠を考えてみてはどうでしょうか?「コンクリートから人へ」のスローガンが懐かしく思いますが、人の生命や財産や経済活動を守るコンクリートの存在も忘れてはいけないと思っています。